松山学院高等学校

松学ニュース

第3学期終業式(校長講話)

令和5年度 3学期終業式

2年生、1年生諸君、進級おめでとう。一年間本当によく頑張りました。
今日は、一年の締めくくりとして、世界の抱える問題を三つ取り上げてお話をします。
みなさんは、これからの日本、世界を担っていく若者です。だからこそ、みなさんには地球規模の視野を持った人になってほしいと思っています。
そのためには、世界中で厳しい環境のもと、必死に生きている子どもたちがいることを知っておかなければなりません。

一つめの問題は「慢性的飢餓」です。
世界中で7億8300万人が食糧不足に苦しみ、一日に4~5万人、年間で1500万人以上が亡くなっています。
この食糧不足を日本で例えると、7年~8年で日本の国が消滅してしまう計算になります。そのうち7割が子どもだと言われています。

二つめの問題は「清潔な飲み水がない」ことです。
汚い水と知りつつも、のどの渇きに耐えられず、汚れた水を飲み、死んでしまう子どもがいるのです。
世界で22億人以上が清潔な水を入手できず、毎年150万人以上の子どもたちが命を落としています。この死者数は、愛媛県の人口より多い数です。安全に水道の水をそのまま飲める国は、世界でたった12か国しかありません。水ひとつとっても、世界はこれほど厳しい状況です。

三つめは、今なお続く「紛争や内戦」です。
2022年、世界全体で紛争によって死亡した人の数は23万8000人と、前年から倍増し今世紀に入ってから最悪を記録しました。増加の原因は、ロシアによるウクライナ侵攻とエチオピア北部で2年にわたって続いた内戦が主な原因です。今、地球上の半数の国や地域が紛争に関わったり巻き込まれたりしているのです。

世界の子どもたちの暮らしを考えてみた時、みなさんの生活環境は桁違いに恵まれています。
今の豊か過ぎる生活が当たり前になり、いつの間にか家族や社会に対する「感謝の気持ち」を忘れ、将来に向けて努力することや辛抱することを怠ってはいないでしょうか。
私は、みなさんが人生の土台となる高校生活を通して、人として更に大きく成長してほしいと願っています。
今が大切です。甘えを捨て、一刻も早く「辛抱強い人」になってください。それが早いか遅いかで、あなたの人生が決まります。今一度、自分の考え方や生活の仕方を見つめ直してみましょう。

これで、校長先生の終業式のお話を終わります。

 

令和6年3月19日(火)

松山学院高等学校

吉田 慎吾

 

 

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