松山学院高等学校

マツガクニュース

卒業式

式辞

木々の芽吹きが始まり、春の息吹を感じる今日の佳き日に、令和6年度松山学院高等学校第134回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、教職員にとりましても大きな喜びです。

ただいま卒業証書を授与されました211名の卒業生の皆さん、「卒業おめでとう」

皆さんは入学以来、誠実に努力を積み重ね、本校所定の教育課程を修了しました。

この晴れの日に、はなむけとして、建学にまつわるお話をしておきます。

「あなたが卒業した高校はどんな学校ですか?」と尋ねられた時に、是非こう答えてほしいからです。

今から134年前の1891年(明治24年)本校はアメリカ合衆国出身のコーネリア・ジャジソン先生によって創設されました。

当時の愛媛県はというと、現在の小中高校生にあたる子どもの数が16万人でした。それに対し学校に通えていた子どもは、わずか4万人。4人に1人しか学校に通えていない時代でした。

その様子を見た先生は「子どもたちに学べる場所を与えたい」と決意されたのです。

その時、彼女の優しさと高潔な人柄に呼応し開校のお手伝いをしたのが、後に初代校長となる同志社大学出身の西村清雄先生でした。

先生はどんなに夜遅くまで学校の仕事に従事しても、その報酬を求めなかったそうです。

ジャジソン先生から英語を学べるだけで十分だと考えられていたからです。

もちろん彼女、ジャジソン先生もご自身のお金のほとんどを松山の子どもたちのために使い、決して贅沢をされなかったそうです。

「子どもたちの幸せのために」を貫いた心優しい人たちの手によって本校は建学されました。

みなさんの母校は、こんな素敵な歴史と伝統を持つ学校です。

その上で、生徒の幸せを願って作られた教育方針「あいさつ、そうじ、読書、社会貢献」を、これからも迷うことなく実践してください。

簡単なことのようですが、そこには、人間力を構成する大切なものが詰め込まれています。

そして、それらを結集した先には、マツガクの目指した「優しさ」があります。

これを誠実に、そして着実に積み上げたみなさんが、近い将来、更なる成長を遂げ、世界的な課題にプレーヤーとして関わり、活躍してくれる日が来ることを私は信じています。

保護者の皆様、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。慈しみ大切に育ててこられたお子様の立派に成長された姿に、感慨もひとしおのことと拝察申し上げます。

本校での高校生活を経て、お子様は心身ともにたくましく、そして、頼もしい大人へと成長しました。

皆様には3年間にわたり、本校教育活動推進のために、多大なるご支援とご協力を賜りましたことを、この場をお借りして、厚くお礼を申し上げます。

終わりに、211名の卒業生の皆さん一人ひとりが、マツガク生としての誇りを胸に、それぞれの世界に力強く羽ばたき、幸せになってくれることを願って式辞といたします。

令和7年3月1日

松山学院高等学校 校長 吉田慎吾

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